フトイ展として2回目となる今回はEXTOシリーズを使わず、シリーズに共通した「ライン」をキーワードとして、実力派3人のデザイナー「藤森泰司」「トネリコ」「五十嵐久枝」が集い、他では決して実現しない極上のコラボレーションによるインスタレーションが空間を彩りました。
会場で反響が大きかったのは、イガラシデザインスタジオによる「White Line」。
なかなか言葉だけでは作品の良さが伝わりきりません。12月中旬オープン予定の新ショールームでも展示されますので、是非来場いただき実物をご覧ください。
会場を変えての開催だったため去年ほどの来場者数が見込めないのではと心配しておりましたが、非常にたくさんの皆様が駆けつけていただき、静穏な会場に熱気が立ち込めました。
ご来場頂きまして誠にありがとうございました。おかげさまで無事第2回フトイ展も好評をもって終了することができました。EXTO事業部一同、感謝申し上げます。今後もクリエイターの方々と新しいアプローチ、新たなイマジネーションをお届けできればと考えております。次回もご期待ください!
〜拡がるフィールド〜
EXTOシリーズを世に送り出し、早くも5年が過ぎました。これまでにお付き合いさせていただいた会社は述べ数百社になり、現在も順調にその数を伸ばしています。そのフィールドは壁面だけに留まらず、『什器やシステムを彩るパーツ』作りにも拡がっております。
例えば切り出した木の塊のような、ある量感を持つものを目前にすると、これらが素材ではなく家具/道具として認識されるようになる瞬間はどこなのだろう?と思うときがあります。
「Loaf」は、そんな意識を形にしたものです。それらは一見すると素材の塊にしか見えません。しかし近づくと表面にたくさんのライン(線)があることに気付きます。そしてそのラインの連なりを手掛かりに塊に触れていると、実際にそれが何であるのかがわかるようになっています。「Loaf」は、その時に初めて家具/道具になります。
藤森泰司
1967年生まれ。91年東京造形大学卒業後、家具デザイナー大橋晃朗に師事。92年長谷川逸子・建築計画工房。99年藤森泰司アトリエ設立。家具のデザインを中心に据え、建築家との共同プロジェクト、プロダクトデザインの分野で活動を展開中。関東学院大学、桑沢デザイン研究所、武蔵野美術大学他非常勤講師。
実体の無い空間を視覚で感じるインスタレーション。のぞき穴から中を覗くと、そこには赤、緑、青に区切られた光のラインがどこまでも無限に続く不変の世界がひろがっています。
空間の外を物体がよぎると不動の世界に様々な表情がともり、不変から可変へ、無から有へ 移ろい移ろうその瞬間を捉えて感じることできる不思議なスリット。見つけられた人だけが垣間見ることができる、その豊かな移り変わりをお楽しみください。
線から面へそして立体へ。細い1本の線の集積がひとつの物体を生み出します。集積が織り成すその流麗。どの面から見ても異なる情景、そして影。
光の道に一歩足を踏み入れると、5300本にもおよぶ線1本1本が眼前に迫り、触れるごとに様々な方向へと揺らぐ放物線。
ひとつの形にとどまらず、絶えず変化しながらも、ひとつのカタチを紡ぎ出す・・・
何度見ても新たな発見ができるそんな集積空間です。
五十嵐久枝
東京生まれ。桑沢デザイン研究所インテリア住宅研究科卒業後、クラマタデザイン事務所勤務。1993イガラシデザインスタジオ設立。主な仕事はインテリア全般と家具・モノのデザイン。人とモノと間の関わりについて、進行形のモノ作りを目指している。